時不知でいこう

東京23区東部住まい。妻と2歳男子の3人家族。あ、インコもいました。 一口馬主(競馬)の話を中心に、日々の出来事、思った事を背伸びせずそのままに綴ります。

キャロット狂騒曲の陰で

キャロットクラブが先週9/25(月)より第2次(随時)募集を開始しました。

 

1.5次終了時点で募集馬85頭の内77頭が満口になり、2次募集開始日は更に6頭が満口となりました。残る2頭が満口になるのも時間の問題でしょう。

 

いやはや、キャロットクラブの人気というか、クラブ会員の購買意欲の高さには本当に驚かされます。

自分が入会した数年前は2次募集開始の段階でも半数近くがまだ残口ありで様子見のできる状況でした。

もう“様子見”という言葉はキャロットクラブの中で死語になってしまったのかもしれませんね。

 

そんなクラブの盛り上がりを目の当たりにする中、クラブ所属の出資馬の引退が決まりました。

 

3頭目の引退馬

※掲載写真は(株)キャロットクラブから許可をいただいて転載しております。

 

出資馬のシルヴァーナ(クリンゲルベルガーの14)が9/24(日)に競走馬登録を抹消、つまり現役を引退することとなりました。

9月で3歳未勝利クラスのレースが無くなる上に、一定の条件を満たしていない馬はそのレースに出走することすらできません。

そのため未勝利馬ながら格上挑戦という形で9/24(日)は500万下クラスのレースへ出走したわけですが…力の差を見せつけられて最下位入線の16着。引退も止むなしの結果でした。

9/24(日)レース前パドック周回時。

 

シルヴァーナはこの世代のキャロットクラブで唯一出資が叶った馬です。 

1次募集は最優先、一般共に全て落選し、1.5次で5頭申し込んだ内の一頭でした。

 

彼女に出資を決めた一番の理由は、馬体がとても綺麗だったからです。

その年は募集馬見学ツアーに参加し、シルヴァーナも現地で歩様を見たり、触れたりすることができました。

能力云々よりも黒鹿毛の馬体がキラキラとして肌ツヤの良さが目立ち「内臓面が強そうだな」という印象が強く残りました。

現地での歩様もそこまで悪いようには見えなかったのですが…その時は彼女がここまで怪我に苦しめられるとは思ってもみませんでした。

募集時の馬体。本当に輝いて綺麗でした。

 

2015年1歳秋頃、無事に馴致が終わり、騎乗運動を開始してすぐに左後脚の飛節を痛めてしまいます。その影響は2016年2歳春まで続き、軽めの調整を余儀なくされます。

飛節の具合も落ち着き、いざ本格的な坂路調教を始めた2歳夏、今度は左前脚に疲れが出ます。この時点で私を含め、彼女に出資をしていた会員の多くは「年内のデビューは厳しいだろう」と推測しました。

その後も脚元には細心の注意を払いながら調整を進め、2歳秋には待望の入厩、そしてゲート試験一発合格という嬉しいニュースも届けてくれました。ただ、やはり無理があったのかそこから再び脚元に違和感が出て、外厩先のNF天栄で休養に入ります。歩様の硬さ、膝や球節の痛み…それらが落ち着いたのは今年に入ってからでした。

様子を見ながら調整を行い、再び入厩できたのは今年3歳春。既に新馬戦という名のレースはなく、未勝利戦のみが組まれている時期でした。

そして5/20(土)に念願のデビュー戦を迎えます。着順は11着でしたが、ゴールまで諦めずに走る姿には本当に感動しました。

デビュー戦の後も状態は何とか維持して、6/24(土)に続戦することもできましたが着順は更に落ち16着。レース後は疲れから再び脚捌きに硬さが出て、休養することになりました。

8月に再度入厩してからも歩様の不安定さは抜け切れませんが、タイムリミットは刻一刻と迫ってきます。9/3(日)に3戦目を迎えましたが、大きな変わり身はなく11着。

そして万全の状態とは言えない中、9/24(日)の4戦目は16着…引退。

 

こうして振り返ってみると、本当にシルヴァーナの競走馬生は苦難の連続、怪我の不安を常に抱えながら闘う日々でした。

 

確かに競走馬としての能力はなかったのかもしれません。いや、“怪我をしない体”というのも能力の一つであるならば、能力は残念ながらなかったと言い切るしかありません。

 

でもこれだけは言えます。

彼女は本当に頑張った。

そして最悪の事態(怪我等による安楽死)だけは避けられた。

それで十分ではないでしょうか。

 

競馬の世界では強い馬弱い馬関係なく、手の施しようがない怪我をしてしまえば早急に安楽死の処置がなされます。

これまでにも惜しまれつつその道を選ぶしかなくなってしまった馬が数え切れないほどいます。

 

でもシルヴァーナは生きています。

レースでは記憶に残らない馬だったかもしれませんが、これからも生き続けることができます。

 

先月末、キャロットクラブからシルヴァーナの引退に関する書面が届きました。

レース後には骨折も判明しましたが、治療後は乗用馬として第二の馬生も用意されているそうでとにかく安心しました

理想は母馬になってもらい、彼女の仔にまた出資することだったのですが、競争成績を上げられなかったので仕方ないですね。

 

脚元に常に不安を抱えながらもよく4戦も走ってくれました。

シルヴァーナ、本当にお疲れさま!そして、ありがとう。

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